①垂木の反りを抑える
→屋根の骨組である垂木は、細くて長い角材でできているため
水分を含んでしまったり、経年の劣化によって反り返ってしまいます。
また、軒先の長さに狂いが出たり、凸凹が現れたりすることも・・・。
そこで、広小舞を取り付けこの症状を抑えます。
②水留めの役割
→木材の切り口は、水分を吸収しやすく、水分を含むと腐食しやすくなります。
そこに広小舞をつけることで、万一水分が内部に侵入しても、広小舞部分で食い止め、
腐食の拡大を防ぎます。
水を一番含みやすい広小舞部分は、木材の中でも良質な木を用いていますので
耐久力もあります。
③外観を整える
→屋根の骨組を軒先でそのまま見せてしまうと見栄えが悪いので
広小舞を取り付け見栄えをよくします。
外観は3つあります。
③-1『木材をそのまま見せる』
…和風建築では、広小舞の面取りや、表面をカンナがけして
そのまま化粧材として見せることが多い。
③-2『塗装する』
…デザイン性の向上や、防水機能のある塗料を塗って、
さらに防水機能を高めていくこともあります。
③-3『板金で加工する』
…最も高い防水性を発揮するのが板金加工です。
最近では、広小舞キャップなど、広小舞専用の部材もありより高い防水性が見込めます。
④瓦屋根には必須
→瓦は、上側の瓦を、下側の瓦に被せて、すべての瓦を均一に揃えています。
しかし、軒先部分は被せる瓦がないため、ずれてしまいます。
そこで、広小舞部分に、『淀(地域によっては瓦持ちともいう)』という約30度くらいの木材を打ち込み
高さを合わせます。
広小舞がないとできない方法です。